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Wi-FiルーターのWPAとは?設定と使い方を解説

Wi-Fiルーターを選ぶ際に「WPA3」といった表記を見たことはありませんか?

これらは、無線通信を暗号化して情報を守るための仕組みであり、Wi-Fiの安全性を左右する重要な要素です。
2025年10月現在、WPA3が最新ですが、WPAのバージョンによっては、第三者に通信内容を盗み見られる危険性もあります。

本記事では、WPAの基礎知識やWEPとの違い、最新のWPA3を使うべき理由、そしてWPAの確認方法までを解説します。

Wi-FiルーターにおけるWPAとは

WPA(Wi-Fi Protected Access)とは無線通信の安全性を確保するためのセキュリティ規格です。

Wi-Fi(無線通信)は電波を使って通信を行うため、電波を受信できれば、第三者でも内容を確認(つまり盗聴)できてしまいます。
当然、これではプライバシーが守れません。そこで通信内容の暗号化を行います。

セキュリティ規格がよくわからない

セキュリティ規格と聞いてもピンとこないと思います。

通信の暗号化を実現するためには、主に次の3つの要素が必要です。

要素概要
暗号化通信データを暗号化し、データを読み取れないようにするRC4やAESなど
認証通信相手が正しい相手かを確認するPSKやEAPなど
鍵管理暗号化に使う鍵を安全にやり取りする固定 or 動的

これらをセットにしたものがセキュリティ規格です。つまり、WPAはWi-Fi通信におけるセキュリティのルールセットと考えておきましょう。

有線通信にはWPAはないの?

WPAはWi-Fi Protected Accessの略称でありWi-Fiと記載にあるように、無線通信専用のセキュリティ規格です。すなわち、有線通信にはWPAはありません。

有線通信(LANケーブルで接続する通信)は、物理的なケーブルを通じてデータをやり取りするため、ケーブルを繋がなければ、第三者が通信内容を盗み見ることができません。

一方で、Wi-Fiのような無線通信は、電波を傍受するだけでデータを受け取れてしまうため、暗号化による保護が不可欠です。
つまり、WPAは「無線ならではのリスク」を防ぐために生まれた仕組みであり、ルーターと端末(PCやスマホ)間の通信時のセキュリティのことだと理解しておきましょう。

WEPやWPAのバージョン間の違い

セキュリティ規格は認証や暗号化、鍵管理の方式のセットであることを先述しました。では具体的にはどのようなセットなのか確認しましょう。

規格暗号化方式認証方式鍵管理方式登場年代
WEP (Wired Equivalent Privacy)RC4(ストリーム暗号)共有キー認証/オープン認証固定キー(静的)1999年頃
WPA (Wi-Fi Protected Access)TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)PSK(Pre-Shared Key)または802.1X(EAP)動的鍵(セッションごとに更新)2003年
WPA2AES(CCMPモード)PSKまたは802.1X(EAP)動的鍵(4-way handshakeによる鍵更新)2004年
WPA3AES(CCMPまたはGCMP)SAE(Simultaneous Authentication of Equals)個別鍵(セッションごとにユニークな鍵)2018年

それぞれの要素については以下の通りです(再掲)。

要素概要
暗号化通信データを暗号化し、データを読み取れないようにするRC4やAESなど
認証通信相手が正しい相手かを確認するPSKやEAPなど
鍵管理暗号化に使う鍵を安全にやり取りする固定 or 動的

WPAは登場年代が新しいほど改良が重ねられており、強度なセキュリティとなっています。

WPA3を使うべき理由

WPA3は、Wi-Fiをより安全に使うための最新のセキュリティ規格です。
従来のWPA2よりも安心して使えるよう、安全性が高い技術に改良されています。WPA2との違いを中心に、初心者でも理解できるよう解説します。

パスワードを破られにくくする認証方式

WPA3ではSAE(サイ)という新しい方式を使い、パスワードを総当たり攻撃で当てられないようにしています。

WPA2では、Wi-Fiのパスワードが短いと、攻撃者が「総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)」でパスワードを当てることが可能でした。
Wi-Fiのパスワードとは、あなたがWi-Fiに接続するときに入力するSSIDに対応する接続用パスワードです。

WPA3は万が一パスワードが漏れた場合でも、過去の通信データは解読できないように保護される設計になっています。

通信ごとに違う鍵を使って盗聴を防ぐ

WPA3では、端末ごとに異なる暗号鍵を作って通信し、安全性を高めています。

WPA2では、同じネットワーク内の端末が共通の暗号鍵を使うことが多く、もし攻撃者が一度鍵を入手すると、他の端末まで通信をまとめて覗かれる可能性がありました。

一方でWPA3では、端末ごとに異なる暗号鍵を作って通信するため、他の人が同じWi-Fiにいても、自分の通信を盗み見られる心配が減ります。

将来も安心して使える

WPA3は、最新の暗号化技術を使っており、将来的な安全性の更新にも対応しやすい設計です。
WPA2は古くなると安全性が弱くなる可能性があるため、これからWi-Fiを選ぶならWPA3対応ルーターを選ぶのが安心です。

Wi-FiルーターのWPA確認方法

Wi-Fi通信時にどのセキュリティ規格を使っているのか確認する方法をお伝えします。

mac端末の場合

  1. Optionキーを押しながらWi-Fiメニューをクリック
  2. 現在接続しているネットワークの詳細情報が表示される
  3. 「セキュリティ」の欄にWPA2、WPA3、WPA2/WPA3混在などと表示される

windows端末の場合

  1. タスクバーのWi-Fiアイコンを右クリック
  2. 「ネットワークとインターネットの設定」を開く
  3. 「プロパティ」を選択する
  4. 「セキュリティの種類」にWPA2やWPA3と表示される

androidの場合

  1. ホーム画面から「設定」→「ネットワークとインターネット」または「接続」を選択する
  2. 「Wi-Fi」をタップし、現在接続しているネットワーク(SSID)を選ぶ
  3. 「詳細」または「セキュリティ」に「WPA2-Personal」「WPA3」などと表示される

iPhoneや上記の方法が使えない場合

iPhoneでは設定アプリなどから確認する方法がありません。よってルーターにアクセス、ログインして設定を確認することになります。

iPhoneを例に解説します。

  1. 「設定」を開く
  2. 「Wi-Fi」を開く
  3. 接続しているネットワークの横にあるiマークを選択する
  4. ルーターのIPアドレスを確認する:「ルーター」または「ルーターのIPアドレス」の項目にIPアドレス(例:192.168.10.1)があるのでメモする
  5. ブラウザ(例:chrome)のURLにIPアドレスを入力してアクセスする
  6. ユーザーIDやパスワードを入力してログインする(ログイン情報はルーターの説明書等をご確認ください)
  7. ルーターの設定画面からセキュリティの項目を確認する(ルーターごとに異なります)

1~4はiPhoneに限った話ですが、接続しているWi-FiのルーターIPアドレスさえわかれば他の端末でも5~7でWPAのバージョンを確認できます。

WPAの他におすすめのルーター機能

WPAはルーターのセキュリティ機能の話です。他にルーターに搭載されているべき機能について解説します。
本記事はルーターがWi-Fi6以上に対応していることを想定しています。

ビームフォーミング

ビームフォーミングは、Wi-Fiの電波を特定の端末に集中させる技術です。

ビームフォーミング

無線通信はルーターから電波を飛ばして端末に届けます。
しかし、従来のルーターは電波を全方向にばらまくため、遠くの端末や障害物の多い場所では通信が弱くなることがありました。
ビームフォーミング機能で、端末の位置を検知して必要な方向に電波を集めることができるため、通信速度の向上や安定性の改善が期待できます。

メッシュ

メッシュWi-Fiは、複数のルーターでネットワークをつなぎ、家全体を均一にカバーする仕組みです。

光回線のサービスは光ファイバで届いた通信を変換し、ルーターが電波を飛ばして端末に届けます。

従来のWi-Fiでは、ルーターから遠い部屋では電波が届きにくく、速度低下が発生していました。
先述のビームフォーミングだけでは対応しきれないケースがあります。そこで複数のルーターで通信を中継することで、家の隅々まで安定した電波を届けられます。

広い家や複数回にまたがる家ではルーターで、メッシュにより通信の安定性を強化できます。

バンドステアリング

バンドステアリングは、端末の通信状況に応じて自動で最適な周波数帯に誘導する機能です。

最近のルーターは、2.4GHz帯と5GHz帯の両方を同時に利用できます(Wi-Fi 6Eの場合は6GHzも含めて3つの周波数帯を利用可能)。
しかし、従来のルーターは端末側で選んだ周波数帯しか利用できませんでした。

バンドステアリングによって選んでいない方の周波数域が利用可能になるため、混雑していない方を自動で選択し、安定した通信速度を維持できます。

MU-MIMO

MU-MIMO(Multi-User Multiple Input Multiple Output) とは、Wi-Fiルーターが複数の端末に同時にデータを送信できる技術です。

まずMIMOとは複数のアンテナ(送信用・受信用)を使って、電波を強化し、通信を安定化させる技術を指します。先述したビームフォーミングもMIMOによって実現されることが多いです。

アンテナがたくさん伸びているルーターを見たことがないでしょうか。あればMIMOやビームフォーミングで通信を強化するために備わっています。

MIMOですが、従来のルーターで行われていたSU-MIMO(Single User MIMO)では、1台の端末にしか同時送信できませんでした。複数台が接続すると順番に通信を行うため、待ち時間が発生してしまいます。

この問題を解消したMU-MIMOは、MIMOで強化した電波を複数の端末に同時送信することで、待ち時間を発生させない技術に進化しました。

OFDMA

OFDMAは、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)で導入された新しい通信方式です。

通常、周波数帯は20MHz単位の複数のチャンネルで構成されており、端末がチャンネルを独占しています。チャンネルが全て埋まっていると、端末数が多い場合待ち時間が発生してしまいます。

20MHzのチャンネルは動画などデータ量が多い通信を想定して区切られていました。しかし、データ量が少ない通信も当然存在し、20MHzが無駄になってしまいます。例としてIoTデバイスの通信や、スマホでLINEメッセージを送るのみではデータ量はわずかです。

そこで20MHzチャンネルをさらに細かく分割し、複数端末が効率よく同時に通信できる技術としてOFDMAが登場しました。

OFDMAによりデータ量が多い通信には20MHzを、データ量が少ない通信にはより細かい帯域での通信が可能です。OFDMAによって帯域を効率よく利用でき、無駄な待ち時間が発生しにくくなりました。

まとめ

WPAは無線通信を安全にする暗号化や認証の仕組みがセットになったセキュリティ規格です。
WPAは2025年10月現在ではWPA3が最新であり、安全性が高くなっています。これからルーターを購入する場合はWPA3を利用できるルーターを選びましょう。

楽天ひかりの場合はWPA3を利用できるWSR-1500AX2BやWSR-3200AX4Sがおすすめです。

どちらもWPA3はもちろん、ビームフォーミングやMU-MIMO、メッシュ機能にも対応しています。

各光コラボのおすすめルーターも解説していくので、ぜひ参考にしてください。

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